寒い日の夕方。
バイクのエンジンをかけてグリップヒーターの電源をONに。
暖まるのを待っていたら、突如エンスト!
エンジンを再始動しようとセルを回しても、全くかからない。
「やったか?」
そうバッテリー上がりである。
こうなると押しがけしかない。
平地で数回試してもだめだったので、駐車場の端にあるスロープまで押していき、下り坂でチャレンジすることにした。
坂道で押しがけの方法
- バイクのギアを2速にする
- 坂の上からクラッチを切ったまま下る
- 時速15km前後に到達
- 荷重をシート後部にかけて一気にクラッチをつなぐ
- エンジンがかかったらクラッチを切る
いつもならこれでかかるんだけど、今回はかかりそうでかからない。
3回チャレンジしたが全くだめ。
坂の上までバイクを押していくだけで相当な運動量があるようで、外気温は低いのに体はポカポカでジットリ汗をかいてきた。体が活性化しているのがわかる。
しかし、バイクは不活性のままだ。
それにしても、坂道押しがけ3セットをしてもエンジンがかからないのは、相当ピンチかもしれない。このまま押したまま帰宅することも想定しつつ、キャブが冷え切っているのかな?などと色々推測していると、ふと思いついたのがガソリンのこと。
これは・・・OFF。
ONにしたら・・・普通にセルでかかった・・・。
はい。
キャブにガソリンが無いだけでした。
どういうことかというと、駐車するときにふと思い立ってガソリンコックをOFFにしておいたのを忘れてエンジンをかけて暖気したところ、キャブのガソリンを使い果たしてエンストしていただけだったのだ!!!
つまり、押しがけにはなんの意味もなかったわけ。
アホみたいに汗だくでバイクを押して坂道を登り、そしてアホ丸出しで下ってクラッチを繋いでいたわけ。
人間、普段と違う行動をすると、それを見落としてしまいドツボにハマることがあるということを体験したのだった。
キャブのバイク自体が数少なくなってきている昨今、ガソリンコックにまんまとハメられる体験をするバイク乗りもほとんどいないと思うが、もしいたら共感してくれるはずだ。