大阪西成の崖でギリギリ持ちこたえた奇跡の家

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大阪西成の崖の上に建っていた数軒の家が崩れ落ち、奇跡的にギリギリで持ちこたえた家があった。

一部では「奇跡の家」と呼ばれている。

流れとしては、2021年6月25日午前7時20分頃、大阪市西成区の住宅地で工事をしていた関係者から「崖から水が漏れている」と通報があり、その後、崖の上に建っていた住宅1棟が崖下に崩れ落ちた。その10分後には、さらに2棟の住宅が崩れ落ちた。そして、かろうじて残ったのが、この奇跡の家というわけ。

とりあえず、奇跡の家に向かうことにした。

場所は、新今宮、天王寺、天下茶屋の駅のちょうど中間地点にある。

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レンタル自転車で向かった。
電動アシスト自転車なので、めちゃくちゃ楽だ。

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まずは、保育園の隣にある公園を目指した。

普段は静かな公園なのだろうが、周辺はやじうままみれで、公園の奥には数人の報道関係のカメラマン、配信者みたいなやつ、やじうまのおっさん、素人カメラマンみたいなおっさんなどが屯していた。

多くの連中は「とりあえず見に来ました」という感じで、ちょっと見たらすぐ移動していたが、報道のカメラマン達は、雨に濡れない東屋を占領して奇跡の家が倒壊するのをずーっと待機しているようだった。

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奇跡の家の真下は完全に崩れていて、基礎のコンクリと右端の石垣の一部だけでかろうじて支えているような状態。

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倒壊した住宅は砕け散っている。

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やじうまやマスコミ関係者。

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斜めになっているようにも見える。

そもそも、この場所は「上町断層帯」という大阪平野の上下延びている活断層帯の一部にあたる。

8000年周期で地震を起こしている活断層で、今後30年以内に2〜3%の確率でM7.5地震が発生すると予想されている。その上町断層の真上にあるのが、まさにこの場所っていうわけ。この崖自体、上町断層の活動で隆起したものだと言われている。

そしてこの崖は、阿倍野区と西成区の境界線にあたる。

崖の下は西成区側、崖の上は阿倍野区側。

この崖は飛田新地まで続いている。

そういった側面もあり、なかなか興味深い場所となっているのだ。

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崖の上から奇跡の家を見てみよう。

崖の上には道があり、ずーっと飛田新地まで続いている。この道はかなり昔からあるようだ。

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(国土地理院地図)

国土地理院の航空写真をチェックしてみたら、1936年時点ですでに存在している。

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家財道具はまだ残されていた。

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崖の下では老人ホームの建設工事が行われていて、今回の崩落はその工事の影響があったとみられている。工事中の下の土地は水はけが悪いようで、かなり水が溜まっていた。水で地盤が緩んだのかもしれない。

なお、この奇跡の家は、7月6日に解体工事が行われる。

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