大阪市内にありながら、辺境の地のような異質な場所として知られる南海汐見橋線の「木津川駅」。
鉄筋コンクリートの古めかしい無人駅の駅舎を出ると・・・そこには何もないという、廃墟スポットでもないけどディープでアングラな雰囲気を醸し出すゾーンなのだ。
実はかつては南海高野線の路線として存在していたが、1985年に線路が分断されて支線となって今も現存している。案外利用者は多く、廃線になることはないだろう。
人情あふれる岸里玉出駅から、汐見橋線に乗り換えて向かう。
色んな意味でディープな臭いがしてくると「木津川駅」に到着だ。
ホームはちょっと古め。
昭和〜平成初期頃の南海沿線でよく見かけたタイプの駅。
線路を渡って駅舎に入る。
ちなみに、大阪市内なのに電車は30分に1本。木津川駅の利用者は、1本の電車につき0〜2人程度。
ホームや駅舎に関しては「そんなに言うほどでもないな」と感じたが、改札から外の景色が普通の駅とは違う。
ややスラム感がある。
無人駅だが、そこは大阪市内。
ICカード対応の自動改札がある。
思いっきり「監視カメラつけてまっせ!」というアピール。これも犯罪抑止に繋がるんだろう。
駅周辺を散策すると、いきなり不法投棄とタギング。
ゴミ捨て場と化した市営住宅の駐輪場。
路駐防止のドラム缶。
事件の現場か?
荒れ果てた廃墟。
「西成公園」という大規模な公園。
かつての大阪城公園のように、プロキャンパー達の根城となっている。
ダンボールハウスを超越した住宅が作られていて、雨風は完全に凌げそうだ。仲間内に元大工の匠がいるのかもしれない。社会福祉の世話にならず、西成の生活保護ビジネスの餌食にもならずに自立している人たち。そういう生き方もある。
そんな公園に似つかわしくない?かわいい猫。
野良猫とは思えないルックス。
岸里玉出まで戻り商店街を散策した。
ここは、あのスーパー玉出の発祥の地らしい。
ディープな激安スーパー。
生鮮館のフォントとネオンがエグい。
地方の食料品店やローカルスーパーのような雰囲気もあるが、QRコード決済対応で時代に対応している。
この「玉出本通商店街」は至って普通のアーケード商店街で、全くディープでもなんでもなかった。
Googleマップの口コミも適当なもんだ。
それっぽい雰囲気の「玉ニ商店街」。
こっちは古めかしい商店街ではあるが・・・
照明がLEDで明るすぎる。
これなら、むしろ昼間の方が雰囲気があるだろう。
蛍光灯の時代なら雰囲気はあったのかもね。
岸里玉出を散策してみて感じたのは、かなり住みやすそうな場所だなということ。
ひったくり注意の看板があるので治安はそれなりかもしれないが、商店街やコンビニ、スーパーがあって駅があって、難波に近い、タワーマンションもある。生活に余裕のある人が多いらしく、人も悪くない。逆に、わざわざ観光?というか散策する意味は感じなかった。
再開発やらなんやらで大阪のディープスポットもかなり少なくなっているし、アンタッチャブルな場所は、むしろ田舎の方が多かったりするね。