奈良県五條市にある心霊スポットの「生子(おぶす)トンネル」。
トンネルの名称は地名の生子町から取られている。“おブス”なトンネルというわけではない。
このトンネルは、かつて計画されていた「五新鉄道」の路線の為に掘られた。
「五新鉄道」は奈良県五條市と和歌山県新宮市をつなぐ鉄道として計画されていたが、第二次世界大戦の影響で工事は途中で中止され、物資不足により計画は頓挫。戦後になり計画の見直しが行われ、未成線となる。その後、路線は舗装され国鉄バスの専用道路として活用されていた。
「五新鉄道」の痕跡は五條市の奈良町に現存していて、しっかり観光地化されているが、こちらはそのままの状態で残されている。
生子トンネルのこと
- 五新鉄道のトンネルとして掘られた
- 工事中に事故があり作業員が犠牲になった
- 入り口には簡易的な慰霊碑がある
- バス専用道だった頃は中に入れたが、今はゲートで閉ざされている
生子トンネルの中。
照明は無く、染み出した水のシミが心霊スポット的な雰囲気を醸し出す。
反対側の出口から光が射し込んでいるので、直線のトンネルであることが分かる。
簡易的な慰霊碑。
トンネルの中にちゃんとした慰霊碑があるらしい。今はゲートで入れないので、入り口にこの慰霊碑を作ったのだろう。
五新鉄道跡をめぐる
生子トンネルを起点として、五新鉄道跡のバス専用道の跡を巡ってみた。
バス停の古さから歴史を感じる。
朽ちた女児向けのキックボード。
これに乗っていた女児も今はもうおば・・・
一般通行禁止の看板。
地元の車が普通に走っていたので、そういうことらしい。
生子トンネルの先にあるバス停跡を巡った。
R168から普通に行くことができる。
Googleマップにスポット登録されているので便利。
バス停の近くには民家や集落があり、かつてはバス利用者もそれなりに居たんだろう。
バス専用道だった頃の看板と踏切の跡。
バス停には照明が無い。
これって夜間はどうしていたんだろう?
そりゃ心霊スポットになるわな。
ここがバス専用道の終点。
五新鉄道はここから先まだまだ南下して、トンネルを通って猿谷ダムまで抜けているが、バス専用道はここまで。
さらに先に進めたので見に行くと、古いトンネルがあった。
バス専用道にも転用されなかった部分。
生子トンネルよりも、ここから先の区間にあるトンネルの方が工事で犠牲者が出たんじゃないのか?と思うが、そもそも閉鎖されているので一般人が知る由もなく、心霊スポットになることもないのだろう。
肝心の生子トンネルは閉鎖されて入れないし、心霊スポットとしてはかなり微妙だが、ちょっと探索するには興味深いスポットかもしれない。五新線にロマンを感じられる人なら。